「不同意見」需要包容(異なる意見をゆるそう):人民日報
中国の人民日報が,5月25日付4面人民論壇欄に,異なる意見を許そう(”不同意见”需要包容)という署名投稿を掲載した。ネット上の過激な罵り合いをやめ,寛容をもって異なる意見を受け入れようという内容だ。署名は袁敏傑氏となっているが,残念ながらどのような人なのか(人民日報内部の記者なのか,外部の民間人なのか,あるいは公的な職位の人か),検索してもよくわからなかった。
一党独裁というイメージが強い大陸中国だが,実際には中国社会では様々な変化がおきている。政府の方針に反対したり,批判することを少なくとも魚野が留学していた当時よりはかなり広い範囲で許容するようになってきているし,実際,そのような活動も活発になってきている(影響力がある人がそれをしようとすると,相当の圧力がかかるようだが)。
圧力を受けている著名人の一人は,この論評を引用しながら,実際には政府と異なる意見を発表すれば国家機関が動員されて圧力がかかると皮肉を述べている(この人は,実際に日々かなり政府当局から数多の圧力を受けている様子が伺える)。
人民日報は中国政府の意を受けて編集されており,ときおりこういった,世論の反応を測るような,政府の政策・許容範囲をやや超えた記事を掲載する。報道の自由が制限されているこの国では,基本的には許可を受けた報道機関の記事か,あるいはその転載しかニュースとしては報道してはいけないことになっているので,印象的な記事はあちこちのサイトに転載される。そして早速この記事も,中国のあちらこちらのサイトに転載されている(例えば環球報)