海外出張にアップル製品は必須

先日の米国出張でアップルの機器が大活躍した。持参したiPhone 3GS, iPad, MacBook Airのアップルトリオは電話だけでなく,街を歩いていてや展示会出展中の調べもの,FacebookやtwitterなどSNSとの接続,ナビゲーションなどに使っていた。ただ単に便利だっただけでなく,海外出張にありがちな危機を何度も回避したり,リカバリーができたりした。何があり,どうしたか,アップルの機器がどう役立ったかをお伝えしたい。

昨年2010年からSoftbankは海外データ通信ローミングサービスを始めている。一日あたり1,400円程度と短期滞在向けであり,価格水準も妥当なものだ。ただ,Softbankと契約したiPhoneは海外に出てもテザリング出来ず,一方でビジネスで出張している者としてはMacBook AirやiPadでも費用の心配なく,納得のいく費用の範囲内でデータ通信がしたい。そこで今回は,データ通信は別事業者のWiFiルータサービスを利用した。これも1日あたり1,000円程度の金額で定額通信ができる。3G回線を利用しているので若干まどろこしい速度であり,通信時間も今回利用したものは4時間程度しかもたないものだったが,現時点では許容範囲だ。

現地でもっとも活躍したのはiPhoneだ。電話は当然のこと,Twitter, Facebook などSNSのサービスを利用して海外でも気軽にリアルタイムの情報発信ができる。空港や展示会場でのFacebookでのチェックインは,臨場感をもって受け止められたと思う。自分のような個人事業者にとって,どこで何をしているかをこまめに発信することは,ブランディングにおいても重要なのだ。
また,街に出て,あるいは出展期間中にちょっとした調べものをしたい時,やはりスマートフォンは欠かせない。好奇心旺盛な者として,おそらく10分に1回程度は使っていたように思う。さすがに2年間使っていたiPhone3GSのバッテリーはヘタリ気味で,一日に1回から2回,追加充電が必要だった。追加充電にはサンヨーのモバイルブースターを利用した。
もう一つ便利だったiPhoneの機能がカメラ機能だ。iPhoneでとった写真は,一般的な他の携帯電話と違い,色調が普通のカメラで撮ったように自然だ。また,カメラと電話とを別々に持ち歩くことは,ことに身軽に動きたい海外では避けたいことの一つだ。iPhoneひとつにしておけば,盗難や紛失のリスクが減るだけでなく,作業の準備や片づけに時間がかからない。実は同行者がカメラを紛失したのだが,携帯とカメラ,財布と,一度にいくつものアイテムに注意をはらうことは,特に疲れが貯まりやすい海外では容易ではない。持ち歩くものを減らすことは,大きな意味がある。

そして次に活躍したのがiPadだ。これは,展示会場で来場者からいただいた情報をもとにその場で検索したり,現地で利用するレストランの検索に役立った。ちなみに,ガイドブックのiPad版を見つけたのであらかじめ購入し,インストールしておいたが,情報量が貧弱で,ほとんど役立たなかった。おそらく次回はよほどのことが無い限り,紙の本をスキャンして取り込んでおく方を選ぶ。
実は今回の旅程中,iPhoneを失った。どうもタクシーで落としたらしく,一時は拾ってくれたらしい方との連絡がついたのだが,結局,受け渡しに指定された場所を見つけることが出来ず,日程の後半はiPhoneなしで過ごした。この時活躍したのがやはりiPadだ。さすがに街中や展示会場で立ちながらノートパソコンを広げたり作業したりするには無理があるが,iPadならなんとかなる。電話についても,skypeとイヤホンマイクを利用することで,最低限のことはできた。ただし,通常の電話にかけるため,急遽,クレジットカードを利用してskypeクレジットをオンラインで購入している。

また,MacBook Airも大活躍だった。今回はポータブルドキュメントスキャナを持参し,現地で集めた情報や名刺などは即座にデータ化するようにした。こうした情報処理にはパソコンは必須だ。iPadではこうはいかない。
加えて,MacBookAirの電池のもちの良さ,軽さも魅力だ。この文章は帰路の飛行機期中で打っているが,バッテリの残量はまだ3時間以上を示している。起きている間使い続けても,無くなることはないだろう(隣席の人たちに迷惑にならないためにも,プライバシーフィルターを利用して最低限の輝度設定からさらに光量を落としている)。今回は会場や街に出かける際,必ず鞄にiPadとMBAを放り込んだ。ホテルでの盗難を心配しなくていいし,この薄さと軽さなら,持ち歩いても苦にならないからだ。ただし,鞄にスタイリッシュな革製のリュックサックタイプを使ったことだけは書き留めておく。ショルダーや持ち歩きタイプだと,疲れたときに重く感じただろう。少し厚めの革なので,背負っていてもカッターで切られて中身を取られるという心配をしなくてもいい。

今後,こうなるといいなと思うのは,iPhoneの海外でのテザリング機能,MacBookAirのストレージ容量の拡大,3機器のバッテリの持ち時間の更なる増大だ。おそらくは,数年のうちにそうした希望はかなえられるだろう。そしてそのときは,iPadはMacBook Airと統合され,財布は国際電子マネーあるいはクレジットカード機能がiPhoneに統合されていることだろう。惜しむらくは,日本企業からこうしたバランスがとれた製品・サービスが登場する気配がないということだ。

2011年5月20日 07:35 全日空009便機内にて