ソリューションとしてのバザー
今日はのぞみ園で打ち合わせをし,こどもたちと遊んできた。いつも思うのだけれど,この園の職員の先生たちはこどもの思いを受け止めるということをごく自然にやっている。翻って自分を鑑みるに,子ども好きというだけで学生の頃から子どもたちや年下の少年たちの相手をしてきたけれど,必要以上に随分厳しい接し方をしていただろうと思う。ことに指導者をしていたころのスカウトの諸君には怒鳴ったことも多かったし,どちらかというと自分の価値観を伝えたいという思いが強かった。現役時代の団委員長だったK牧師が,君は教えることがうまいとほめてくれたことがあったけれど,教育・教術や人の心というものに興味を持って調べ,実地応用しはじめたのはおそらくあのことばがきっかけだったろう。まわりの人との関わりをすべて怖がって頑なだった私に対して,ほめられることでやる気が引き出されて変わっていくということを実例で教え示してくれた,懐かしい人である。
まもなく文化の日,そしてバザーがやってくる。教会・のぞみ園ではK姉や園児の父母,職員を中心に着々と準備が進んでいる。
日本はものがあふれる豊かな社会になってしまった。使わなくなったけれど捨てるには惜しいものをゆずりあうというバザーも,なかなか成立しにくくなっているといわれている。一方で,のぞみ園のバザーは卒園児やその父母と職員の再会の場であり,近所の人の楽しみであり,近隣のお店や施設の売り込みの場所であり,現園児やその父母の力の見せ所としてその魅力はいまも輝いている。経済学や会社の世界では,ものが豊かな時代にあって売るのは製品ではなく,ソリューション(ひとびとに役立つもの/考え方/仕組み)だと言われて久しい。のぞみ園のバザーも,単に不要品を交換する場というのではなく,出会いの場,表現の場,自己実現の場として存分に活用できているだろうか。