[日記]第三の開国
日経新聞の領空侵犯コラムで治安悪化の懸念を理由に日本が移民政策を取ることに反対する意見が掲載されていた。そういう懸念があることはもっともなことと思うが,そこで何となく議論がとまってしまうのは残念だ。明治維新,敗戦占領による改革に並ぶ,三回目の改革,開国が求められている。
昨日,たまたまそのことについて知人と議論をした。個人的には移民受け入れは不可避だと思うし,それを進めることで異文化に寛容で,もう少し論理的なコミュニケーションができるような社会を作ることは,今後五十年,百年と資源のない日本が国際社会で名誉ある地位を得て活躍するための条件だと思う。この点で二人の意見は一致した。
実際,今の日本の状況はどうかというと,中小企業であっても海外につながっている企業は多いし,地方では嫁不足による国際結婚も多くなっている。また,東京での国際結婚率も高い。
ただ,そうはいっても,外国人の犯す犯罪は目につくし,これから経済規模の縮小が避けられない中,鬱屈を排外的な感情でしか表現できない輩も多くなるかもしれない。
必要な条件は,一つには政治の変革だと思っている。政権交代がある社会になることは,日本の社会を大きく変え,価値観の多様化に寛容になることだろう。ようやくこれは実現,定着しそうな雰囲気である。
もう一つ,これは隣の大国,中国とロシアが安定した社会を維持すること。これは,日本の影響力が行使できない面もあるのでよりハードルは高くなるが,市井では市民レベルの交流を活発にするという方策をとれないことはない。幸いなことに,自発的な活動も多い。
自分達でどうしようもない部分と,変えられる,あるいは変えるべき点を分け,限られた資源を目標実現のために集中投資してぶれずに進むという戦略が,低成長の日本では個人も国レベルでも求められている。