野村の「眼」
一昨晩は外出から戻った後に咳がひどくなり,夜中に牛乳を飲んだりメンタムや経皮鎮痛・消炎剤をのどあたりにぬってみたりしながら寝付けず,明け方まで咳き込んでいた。最後には本を読んで気を紛らわすことにした。幸い夜中でも気温は低くなく,本を読む体制で床についていてもそれほど気分が悪化することは無い。
読んでいたのは『野村の「眼」 弱者の戦い』。プロ野球楽天監督の野村克也氏が最近出版したものを大学の図書館で見つけ,借りてきたもの。元プロ選手,プロ野球監督としての「リーダーの条件や組織論,情報戦略」について,現役,引退を問わず,選手や監督を素材として自分の考えを語っている。
血液型と選手論,監督論を結びつけた部分だけはひどいものだと思ったが,その他紹介されている経験談,分析は,なるほどと納得できたりその通りと共感できる内容ばかりだった。
なかでも印象に残ったのは,長い選手生活の中で,野球論を何度も繰り返し,同僚・知人らと戦わせてきていることだった。若い頃,コミュニケーションを忌避しがちだった私にとっては,惜しいことをしたなと思わされる体験談である。また,昨今の企業倫理,正確には企業経営者幹部倫理を根本問題とした企業不祥事を防ぐ上で,技術論,あるべき論を組織内の人員同士が語り合うことは大切な規範遵守意識浸透の手段の一つともなろう。
ようやく世が明けた頃に就寝。目覚めたのが昼頃で,なんとか咳はおさまったが,あいかわらず炎症はおさまっていないようで,結局終日声が出なかった。もっとも,それにきづいたのは,夕刻ようやく近所に買い物に行って,お礼を言おうとしてささやき声しか出なかったときなのだが。